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賃貸・戸建て・マンション

35年でいくら違う?

賃貸のアパート・戸建て・マンションの模型と、電卓とノート(Canva で作ったイメージ)
イメージ:Canva で作成

家賃とローンの返済を同じ月12万円にそろえて、4つの住まいの35年を並べたわが家の試算です。2026年10月に直した数字と、老後と今の金利を足すとどう変わるかも載せます。今の金利と制度は、2026年10月28日に公式の資料で確かめました。

最終確認日 更新

先に結論

  • 家賃もローンも月12万円にそろえたわが家の試算(2024年・金利0.65%)では、35年に払う額は賃貸戸建て約5,208万円、戸建て約7,229万円で、約2,000万円の差でした。
  • 35年後に残る土地と建物の値打ちを引くと、戸建ては約5,104万円。賃貸戸建てとの差は、ほぼ無くなりました。分譲マンションと賃貸戸建ての差は約630万円残ります。
  • 差が開くのは老後と金利です。老後の25年を足すと賃貸戸建てが約1,000万〜2,500万円多く、金利が年1.5%なら戸建てが約650万円多くなります。

わが家の比べ方:家賃もローンも月12万円にそろえる

2024年4月に、賃貸の戸建てとマンション、買う戸建てとマンションを35年で比べました。

返済・家賃のほかに出ていくお金(35年の月平均)

  • 分譲マンション:月約5.3万円管理費・固定資産税・保険・家具家電など
  • 戸建て(買う):月約5.2万円うち修繕・手入れが月3万円。
    35年で1,200万円ほどかかると言われる額から
  • 賃貸マンション:月約1.2万円管理費・保険・家具家電など
  • 賃貸戸建て:月約0.4万円管理費は0円(かからない物件が多いため)

35年の総額から返済・家賃の月12万円分を引いた月の平均です。持ち家の家具家電は、修繕費でまかなう分があるので低めです。

家賃とローンの返済は、どれも月12万円にそろえました。買う家は、4,500万円を当時の変動金利0.65%で35年借りる、試算のための仮の家です。

払う額だけなら賃貸が安い。残る価値を引くと、戸建てと賃貸戸建てはほぼ同じ

2026年10月に計算違いを直した数字です。

住まい35年に払う額残る価値を引くと
分譲マンション約7,279万円約5,839万円
戸建て(買う)約7,229万円約5,104万円
賃貸マンション5,544万円5,544万円
賃貸戸建て5,208万円5,208万円

残る価値は当時の目安です。戸建ては土地2,000万円と建物125万円、マンションは買った値段の32%(1,440万円)を引きました。土地の値上がり・値下がりは入れていません。

返済が同じ12万円でも、買った戸建ては賃貸戸建てより月に約4.8万円多く出ていきます。そのうち3万円が修繕・手入れです。

ところが35年後に残る値打ちを引くと、戸建ては賃貸戸建てとほぼ並びます。分譲マンションは、賃貸戸建てより約630万円多いままです。

最初の記事で見落としたこと

2024年4月の記事では、払う額だけを並べて、賃貸戸建てが分譲マンションや戸建てより2,000万円ほど安いと書きました。35年後に残る土地と建物を引いていませんでした。

賃貸戸建ての総額の計算違い(正しくは月12.4万円×420か月)と合わせて、2026年10月に直しました。

残る価値のほとんどは土地です。わが家の目安では、戸建ての建物は約30年でほぼゼロになります。

国土交通省は2014年に、中古の戸建ては築20〜25年で建物の値打ちを一律ゼロとする取引の慣行があると説明しました。そのうえで、手入れやリフォームを評価に反映する指針を出しています。

マンションの32%は、出典を書いていない当時の目安でした。首都圏の2026年7〜9月の成約では、1㎡あたりの価格は築26〜30年で築5年以内の約5割、築30年を超えると約3割です(築年数の違う別々の物件の比べで、1つの部屋の値下がりではありません)。

32%の代わりに約5割(52%)を当てると、引いた後の分譲マンションは約4,920万円で、4つの中でいちばん少なくなります。残る価値の置き方1つで、順番が入れ替わります。

出典:国土交通省、東日本不動産流通機構(最後の「出典」の6・7)

2回目:10年ごとに引っ越すと、土地を引いた戸建てより賃貸が約1,200万円高い

2024年12月に、条件を変えて計算し直しました。月13万円、5,000万円を金利0.5%で35年借りる仮の家です。

2回目で置いた主な数字

  • 管理費と修繕積立金分譲マンションは月2万円と月3万円。
    どちらも10年ごとに1.5倍。
    賃貸マンションの管理費は月5,000円
  • 火災保険(1年)戸建て2.5万〜5万円
    分譲マンション0.9万〜1.5万円
    賃貸0.5万〜1万円
  • 固定資産税(35年)戸建て約912万円
    分譲マンション約1,215万円
  • 戸建ての修繕・交換外壁や屋根など。定期的に直すと、
    30年で1,500万〜2,000万円
    かかる場合もあると見た

固定資産税は、建物3,500万円・土地1,500万円の仮の家の粗い計算です。建物は値打ちの目安をそのまま評価額にし、新築から3年は建物全体を半分にしました。実際の評価額は市が決め、半分になるのは120㎡分までです。

賃貸は、35年同じ部屋に住む場合と、10年ごとに引っ越し、そのたびに家賃が2万円上がる場合の2通りにしました。

住まい35年に払う額土地を引くと
分譲マンション9,488万円8,488万円
戸建て(買う)8,019万円6,519万円
10年ごとに引っ越す賃貸7,720万円7,720万円
同じ賃貸マンションに35年6,288万円6,288万円

大きな災害が無かった場合の試算で、引いたのは土地だけです(戸建て1,500万円、マンション1,000万円)。

同じ賃貸に35年住めばいちばん少なく、土地を引いた戸建てとの差は約230万円です。

ただ、暮らし方は10年ほどで変わり、引っ越す家族のほうが多いと考えました。10年ごとに引っ越す賃貸は、土地を引いた戸建てより約1,200万円多くなりました。分譲マンション(土地を引いて8,488万円)よりは少ない額です。

出典:総務省(最後の「出典」の5)

老後の家賃と今の金利を足すと、差が開く

わが家の老後の試算(2024年10月)では、65〜90歳の25年の住まいのお金をこう見ました。

住まい老後の25年1回目の表に足すと
戸建て(修繕とリフォーム)550万〜850万円約5,650万〜5,950万円
賃貸戸建て(家賃月6万〜10万円)1,800万〜3,000万円約7,000万〜8,200万円

1回目の表の「残る価値を引くと」の額に足しました。家賃の置き方が違う2つの試算を、単純に足した物です。

老後まで足すと、賃貸戸建てのほうが約1,000万〜2,500万円多くなります。

もう1つは金利です。わが家の0.65%は、2024年4月に置いた変動金利です。

日本銀行の政策金利は、2024年3月の0〜0.1%程度から、2026年9月に1.25%程度へ上がりました。全期間固定のフラット35は、2026年10月にいちばん多い金利が年3.83%です。

金利(4,500万円・35年)毎月の返済利息の合計
年0.65%(わが家の試算・変動)約11.98万円約532万円
年1.5%約13.78万円約1,287万円
年3.83%(フラット35・全期間固定)約19.47万円約3,677万円

元利均等・ボーナス払いなし・金利が変わらない場合です(手数料・保証料は除く)。3.83%は借入期間21〜35年・融資率9割以下。変動と固定は種類が違う金利で、今の変動金利は借りる銀行で確かめます。

利息の差を1回目の表に足すと、残る価値を引いた戸建ては、1.5%で約5,859万円、3.83%で約8,250万円です。賃貸戸建てより約650万円、約3,040万円多くなり、差はほぼ無いとは言えなくなります。

家賃は据え置いた単純な計算で、3.83%では返済が月12万円を大きく超えます。

自分の家で比べる時は、今の金利で返済を出し、残る値打ちと老後まで入れます。年ごとの出入りは、ライフプラン表に入れると見やすくなります。

出典:最後の「出典」の1〜3

わが家が築古の戸建てを選んだ理由と、住んでわかったこと

わが家は2023年9月に、築50年ほどの戸建てをほぼ土地の値段で買い、自然素材でフルリノベーションして住んでいます。

わが家の選び方

  • 建てる費用今ある構造を生かすと、同じような家を新築する場合より
    約1,500万円の差が出た
    (2024年4月の記事の数字)
  • 手入れの少ない素材外壁・内装・シロアリ対策を、手入れのほぼ要らない物に。
    床は水回り以外すべて無垢材。
    30年で手を入れるのは、キッチン・お風呂・トイレの設備が中心
  • 車を持たない暮らし車なしで暮らせる場所で探した。
    車を持つ場合との差は年約64万円
    (2025年のわが家の試算。上の比べの表には入れていない)

今の取引では、手入れにお金をかけても建物の値打ちはあまり上がらないと、わが家は考えました。そこで、住み心地と手入れの少なさにお金をかけました。

住んでわかったこと

よかった

  • 固定資産税は、新築で建てた場合の4分の1以下
  • 窓は当時の国の補助金が約132万円出て、ほぼまかなえた
    (今の事業は1戸あたり上限100万円。窓の補助金の記事)
  • 断熱にセルロースファイバーを使い、窓を閉めると外の音はほぼ聞こえない

大変だった・高くついた

  • 買ってから壁や床を開けると、一部に腐食などが見つかった
  • 抜けない柱があり、間取りに悩んだ。間取りを決めるまで半年、買ってから完成まで9か月
  • リノベ込みのローンを扱う銀行探しに苦労し、地方銀行でやっと普通の金利で組めた
  • 火災保険は建物だけで年33,000円(2024年9月)。新築・耐火の家の約5倍で、5年契約もできない

住宅ローン減税も、わが家は受けていません。今の制度は年末のローン残高の0.7%を税から差し引くもので、2030年12月31日までの入居が対象です。受けられる家なら、その分だけ持ち家の負担は軽くなります。

わが家の数字では、35年だけなら戸建てと賃貸戸建てはほぼ同じでした。差が開いたのは、老後の家賃と金利です。

出典:最後の「出典」の4・8

書いた人

運営・執筆

RYU

堺市で2人の子を育てる父です。築50年ほどの戸建てを買い、工務店と打ち合わせを重ねて、自然素材でリノベーションしました。窓の断熱リフォームでは国の補助金を使い、制度の条件や期限は公式の情報で確かめて書いています。

建築士・宅地建物取引士ではありません。工事や契約は、工務店や専門家に確かめてください。

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出典(一次資料8件・2026年10月28日に確認)
  1. 日本銀行『金融市場調節方針の変更について』2026年9月18日(2026年10月28日確認)
  2. 日本銀行『金融政策の枠組みの見直しについて』2024年3月19日(2026年10月28日確認)
  3. 住宅金融支援機構【フラット35】『最新の金利情報』(2026年10月の借入金利/2026年10月28日確認)
  4. 国土交通省『住宅ローン減税(令和8年度税制改正後)Q&A』2026年7月更新(Q1・Q2・Q11/2026年10月28日確認)
  5. 総務省『固定資産税』(評価の仕方・新築住宅特例/2026年10月28日確認)
  6. 国土交通省『「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」⁠の策定について』2014年3月31日(2026年10月28日確認)
  7. 東日本不動産流通機構『REINS TOPIC 首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2026年07〜09月】』2026年10月19日(首都圏の中古マンション/2026年10月28日確認)
  8. 環境省『先進的窓リノベ2026事業の概要』(2026年10月28日確認)