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産後パパ育休・育休・有給

どれで休む?手取りで比べよう

開いた月の予定帳
イメージ写真:Eric Rothermel(Unsplash)(CC0 1.0・Wikimedia Commons)

子どもが生まれた後の休みを、有給にするか、育休・産後パパ育休にするか。お金の仕組みの違いと、自分の数字での比べ方をまとめました。

最終確認日 更新

先に結論

  • 有給は、会社から給料が出ます。所得税と社会保険料は、ふだんどおりかかります。
  • 育休と産後パパ育休は、雇用保険から給付が出ます。給付は休む前の給料の67%で、条件を満たすと80%です。
  • 給付は非課税で、条件を満たす月は社会保険料も免除です。
  • どれで休むとお金が多く残るかは、給料・休む日数・休みに月末が入るかで変わります。
    自分の数字は、計算ツールで比べられます。

有給と育休は、お金の出どころが違う

有給(年次有給休暇)は、出勤日に給料をもらって休む制度です。払われる額は、会社の決まり(就業規則など)によります。

有給と育休のお金の違い

  • 有給会社から給料が出る
    所得税・保険料はふだんどおり
    翌年の住民税の計算にも入る
  • 育休・産後パパ育休雇用保険から給付が出る
    給付は非課税(税金がかからない)
    条件を満たす月は社会保険料も免除
    給料が出なければ雇用保険料もかからない
  • 有給の残り有給で休むと、使った日数だけ減る
    育休・産後パパ育休では減らない

育休と産後パパ育休は、有給のような「休暇」ではなく「休業」です。休業中の給料を払うことは、会社の義務ではありません。

代わりに、条件を満たすと雇用保険から給付が出ます。

次の年に新しく付く有給は、出勤した日が8割以上あるかで決まります。

育休・産後パパ育休で休んだ日は、この8割の計算では出勤した日として扱われます。

給付はあとから申請し、支給が決まってから約1週間で振り込まれます。

書いている私(RYU)も、最初は有給で休むつもりでした。調べてみて、産後パパ育休で休むことにしました。

「手取り10割相当」⁠の仕組みと、10割に届かない人

給付は、休業開始時賃金日額の67%です。

休業開始時賃金日額は、休む前6か月の給料(額面・賞与を除く)を180で割った、1日あたりの額です。

生まれてから8週間の中で、パパが合計14日以上休んだ時

67%育休の給付+ 13%上乗せ= 80%28日分まで

この13%を出生後休業支援給付金といい、28日分まで上乗せされます。合わせて80%です(配偶者の条件もあります)。

厚生労働省の手引きは、この80%を「手取り10割相当」と説明しています。理由は次の3つです。

月給ごとに、休む前の手取りと、80%の給付(30日分)を比べました。

月給休む前の手取り80%の給付(30日分)
30万円249,360円240,000円
手取りの96.2%
50万円408,380円396,960円
手取りの97.2%
60万円483,154円396,960円
手取りの82.2%

計算ツールで出した例です(大阪府・協会けんぽ・40歳未満・賞与なし)。手取りは、住民税を引く前の額です。

月給60万円の例が10割から遠いのは、上限があるからです。

休業開始時賃金日額の上限は16,540円です(2027年7月31日までの額)。

月給50万円でも、1日あたりの額(6か月の給料÷180)が、わずかに上限を超えます。

給付の率の変わり方

  1. 80%13%の上乗せが出る28日分
  2. 67%その後、育休の180日目まで
  3. 50%181日目から

産後パパ育休で給付を受けた日も、67%が出る180日の中に入ります。

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産後パパ育休と育休の違い

産後パパ育休(出生時育児休業)は、育休とは別に、生まれてから8週間の中で取れる休みです。

産後パパ育休のポイント

  • 日数は、合計28日まで
  • 2回まで分けられる(2回分は最初にまとめて申し出る。育休も2回まで)
  • 申し出は原則、休む2週間前まで(育休は1か月前まで)
  • 給付の率は、育休と同じ

ほかの違いは、次のとおりです。

ほかの違い産後パパ育休育休
取れる時期生まれてから8週間の中で取る
(予定日とずれた時は広がる)
子が1歳になるまで
(保育所に入れない時などは最長2歳)
休み中の仕事労使協定があり、本人が合意した範囲だけ臨時・一時的な時だけ
給付の申請休みの後に1回
(2回に分けても1回)
原則2か月に1回

労使協定は、会社と社員代表の取り決めです。

休み中に働く時の上限

産後パパ育休中に働く日が多いと、給付が出ません。

ママの13%の上乗せとの関係

ママは、出産の翌日から8週間が産後休業で、育休はその後からです。

ママが13%の上乗せをもらうには、パパが、生まれてから8週間の中で14日以上休むことが条件です(例外もあります)。

有給と育休は、「同じ日」⁠に重ねられない

有給は、育休と組み合わせて使えます。ただし、育休と同じ日に重ねることはできません。

有給と育休の組み合わせ方

できる

  • 休みの前後の出勤日に有給
  • 2回に分けた休みの間の出勤日に有給

できない

  • 育休と同じ日に有給を重ねる
  • 平日は有給、週末だけ育休

出勤日でない日(休日など)だけの期間は、育休として申し出ることができません。そのため、週末だけを育休にする休み方はとれません。

育休で休んでいる日の分として会社から給料が出ると、給付が減ることがあります。

給付が0円になるかどうかは、休む前の給料から出した1日の額(休業開始時賃金日額)と、休んだ日数で決まります。

給付が0円になる給料の境目

1日の額休業開始時賃金日額× 日数休んだ日数× 80%割合= 境目給付が0円になる給料

会社から出た給料がこの境目以上なら、給付は0円です。

13%の上乗せの条件の「合計14日以上」に入るのは、給付が出る休みの日だけです。前後に有給で休んだ日は入りません。

会社が前もって有給の日を決めている時(計画的付与)、その日が育休の期間と重なる時の扱いは、会社に確かめてください。

休みに月末が入るかで、残るお金が変わる

健康保険と厚生年金の保険料は、条件を満たす月の分が、本人分も会社分も免除です。

保険料が免除になる月

免除になる

  • 休みに月末が入る月
  • 同じ月の中で始まり終わる休みが合計14日以上の月

免除にならない

  • 月末が入らず、休みが合計14日未満の月

免除は、会社が休みのたびに届け出ます。

3通りの休み方で比べた例

計算ツールで、休み方を3通り比べました。例の条件は、次のとおりです。

下の「差」は、有給で休んだ時と比べて、手元に多く残るお金です。

3通りの休み方と、有給で休んだ時との差

  • 1回・同じ月の中で14日2/8〜2/21
    差は+9,840円
    保険料の免除は2月分
  • 2回・2回目は月末なし1/25〜1/31と2/8〜2/14
    差は+13,745円
    保険料の免除は1月分
  • 2回・2回とも月末1/25〜1/31と2/22〜2/28
    差は+55,195円
    保険料の免除は1・2月分

計算ツールで出した例です。

この例では、2回とも月末が入る形の差がいちばん大きくなりました。保険料の免除が2か月分になるためです。

私(RYU)も職場と相談して2回に分け、2回とも月末を含めています。

「差」⁠の出し方

112,000円給付− 減った手取り2月・3月の給料= 差上の3通りの数字

112,000円は、67%の給付と13%の上乗せの合計です。

給料は翌月払いです。この例では、休んだ分が2月と3月の給料で減ります。

この例は、有給の日にふだんの給料が出る会社の場合です。年末調整の分は入れていません。

ボーナスの月の保険料

ボーナスにかかる保険料が免除になるのは、その月の末日を含めて、続けて1か月を超えて休む時だけです。

1回で取る産後パパ育休(最大28日)は、1か月を超えません。そのため、1回の産後パパ育休だけでは、ボーナスにかかる保険料は免除になりません。

保険料の免除では、休日や有給の日だけをはさんだ2つの休みは、1つの休みとみなされます。

計算ツールは、日付がつながっている休みだけを1つの休みとして計算します。

間に休日や有給の日をはさむ時は、ツールの結果と実際が違うことがあります。

休んだ日の給料の引き方と、有給の日の賃金は、会社に確かめてください。

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書いた人

運営・執筆

RYU

堺市で2人の子を育てる父です。妻は1人目の育休明けに職場へ戻り、2人目で再び産休・育休に入りました。休むあいだのお金の出入りを月ごとに知りたくて育休手当の計算ツールを作り、数字は国や市の公式の情報で確かめています。

社会保険労務士・税理士ではありません。確認は会社・ハローワーク・年金事務所で。

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出典(一次資料9件・2026年10月21日に確認)
  1. 厚生労働省『育児休業等給付の内容と支給申請手続』2026年8月1日改訂版(印刷された頁で1〜5・7・10・12・13・16・19・25頁/2026年10月21日確認)
  2. 厚生労働省『Q&A〜育児休業等給付〜』(Q4・Q5・Q8〜Q10・Q13・Q33〜Q35・Q56・Q57・Q98・Q100/2026年10月21日確認)
  3. 厚生労働省『育児休業等中の保険料の免除要件の見直しに関するQ&A』(令和4年3月31日事務連絡)(問1・問4〜問6・問8・問10・問14・問18/2026年10月21日確認)
  4. 日本年金機構『従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が育児休業等を取得・延長したときの手続き』(1.概要(2)〜(5)/2026年10月21日確認)
  5. 厚生労働省 通達『育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行について』(令和7年10月1日)(印刷された頁で4頁・20頁/2026年10月21日確認)
  6. e-Gov法令検索『育児・介護休業法』(5条・6条3項・9条の2・9条の3・9条の5/2026年10月21日確認)
  7. e-Gov法令検索『労働基準法』(39条9項・10項/2026年10月21日確認)
  8. 国税庁『No.1400 給与所得』(2026年10月21日確認)
  9. 総務省『個人住民税』(前年の所得で計算/2026年10月21日確認)