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外壁材の選び方

30年の手入れまで入れて比べよう

花の向こうの白い板張りの家
イメージ写真:Frøy Hamstad(Unsplash)(CC0 1.0・Wikimedia Commons)

わが家は築50年ほどの戸建てをフルリノベーションした時、外壁を30年の手入れの回数で選びました。その考えで2024年に書いた数字と、2026年10月28日に公式の資料で確かめ直した事をまとめます。

最終確認日 更新

先に結論

  • わが家は外壁にサイディングを使わず、遮熱塗料(キルコート)で仕上げました。最初の費用より、30年の塗り替えの回数で選びました。
  • 2024年に書いた数字(仮に30坪の家)で最初の工事と30年の手入れを足すと、サイディング約410万円、キルコート約280万円でした。目地と年数を厳しめに数えると、差は約70万〜90万円に縮みます。
  • 当時は、塗料で断熱や冷暖房の効率も良くなると考えていました。確かめ直すと、塗った膜は断熱材の代わりにならず、冬はむしろ不利に働くこともあると分かりました。

わが家が外壁で決めたこと

わが家は2023年9月に、築50年ほどの戸建てをほぼ土地の値段で買い、フルリノベーションしました。

わが家が最初に工務店へ伝えた素材

  • 外壁:キルコート遮熱をうたう塗料
  • 屋根:ガルバリウム鋼板
  • 断熱材:セルロースファイバー
  • 窓:オール樹脂サッシガス入りのペアガラス以上
  • シロアリ対策:ホウ酸
  • 内壁:珪藻土または自然素材のクロス

打ち合わせの最初の段階で、選んだ理由とあわせて伝えた一覧です。

家づくりの考え方は、「30年以上、できるだけ手入れをせずに住める家」でした。外壁も、この考えで選んでいます。

素材は工務店に任せず、自分たちで調べて決めました。その素材をよく扱う工務店を、数十件の候補から1つずつ話を聞いて選んでいます。

サイディングは使わない、と最初に決めていました。30年の間に塗り替えと目地の打ち替えが重なり、手入れの回数が多くなると考えたからです。

戸建て住宅の外壁材は、約8割(80.1%)が窯業系サイディングです(日本サッシ協会の調査)。セメント質と繊維質の原料を、板の形にした外壁材です。

参考にした家づくりの本では、別の遮熱塗料が紹介されていました。当時の調べでは、本の家づくりの仕組みの家でしか、ほぼ使えない塗料です。そこで代わりにキルコートを選んでいます。

キルコートも扱える業者は限られ、当時調べた時点で全国に数十社ほどでした。業者を探す所から始まるのが、この選び方の手間です。

出典:日本窯業外装材協会(最後の「出典」の1・2)

30年の外壁の費用、わが家の当時の目安

2024年にわが家が書いた数字(1回ごとの費用と回数)から、光熱費を除いて計算し直した合計です。

仮に30坪の家サイディングキルコート
最初の工事約150万円約200万円
塗り替え約100万円×2回約80万円×1回
目地の打ち替え約20万円×3回入れていない
30年の合計約410万円約280万円
キルコートにも目地を入れると約410万円約340万円
短い方の年数で数えると約510万円約420万円

30坪は仮の広さです。最初の工事費は2024年10月の記事、手入れの費用と間隔は2024年7月の記事の目安で、実際に払った額ではありません。間隔はサイディング10〜15年、キルコート15〜20年、目地約10年です。

最初の工事はキルコートが約50万円高くなります。それでも塗り替えが1回少なく、キルコートの側には目地の打ち替えを入れていないため、30年では約130万円少なくなる計算でした(目地の分が約60万円)。

2024年の記事の30年の総費用(サイディング約950万円、キルコート約700万円)は、年間の光熱費(約18万円・約14万円)を30年分足した数字です。

当時の数え方には、キルコートに有利な所が2つあります。目地を入れていない事と、長い方の年数で数えている事です。

キルコートは塗料なので、下に壁の材料(下地)があります。下地がサイディングのような板なら、板と板の間に目地(シーリング)があり、打ち替えも要ります。

日本窯業外装材協会の目安では、窯業系サイディングの塗り替えは10年前後・20年前後・25〜30年ごろの3回です。目地は5年を過ぎた頃から、状況に応じて打ち替えます。

短い方の年数(サイディング10年・キルコート15年)で数えると、塗り替えはサイディング3回・キルコート2回です。目地も両方に入れると、差は約90万円になります。

この目安を使う時に気をつけること

塗料の持ちの年数は、当時わが家が書いた目安です。外壁の記事では15〜20年、屋根の記事では15年程度と書いていました。環境省の実証の報告書には、メーカーが申し出た参考の情報として、製品の1つの寿命15〜20年が載っています。

国土交通省の建設工事費デフレーター(木造住宅)は、2024年7〜9月の118.8から2026年4〜6月の126.5へ、約1.06倍です。2026年7月は、1か月で135.9まで上がりました。

出典:日本窯業外装材協会・環境省・国土交通省(最後の「出典」の3・8・9)

塗料に期待したこと、確かめ直したこと

2024年の記事では、キルコートを「高い断熱性能」があり、光熱費の削減に役立つ塗料と書いていました。

わが家がキルコートに

当時(2024年)期待したこと

  • 夏の暑さを抑える
  • 断熱や冷暖房の効率も良くなる
  • 塗り替えの間隔が長い(15〜20年)

2026年に確かめ直すと、違ったこと

  • 塗った膜は、断熱材の代わりにならない
  • 冬は、むしろ不利に働くこともある

日本建設業連合会が2014年ごろにまとめた解説は、塗った膜は断熱材よりとても薄く、断熱材の代わりには使えないとしています。冬は日差しの熱まで遮るため、むしろ不利に働くこともあります。

キルコートの製品の1つを試した環境省の実証(2009年度)では、白に近い色だと、一般の塗料と日射の反射率にほぼ差がありません。冷房の負担の計算は、モデルの工場の屋根の例です(屋根と断熱の記事)。

塗料で光熱費がどれだけ変わるかは、公式の資料で確かめられず、この記事の30年の費用からは外しました。

住んでみて違いを感じているのは、壁の中の断熱材(セルロースファイバー)と、オール樹脂の窓です。セルロースは多少費用がかかっても選び、外の音もほぼ聞こえなくなりました。

窓は国の補助金を使い、わが家では131万9,000円の補助が出ました(窓の補助金の記事)。

わが家の外壁は、まだ最初の塗り替えの時期が来ていません。15〜20年という年数が当たるかは、これから確かめることになります。

出典:日本建設業連合会・環境省(最後の「出典」の7・8)

新築の見積もりで見た「手入れの費用」

わが家は最初、新築の注文住宅を考えていました。長期優良住宅で建てようとまでしていて、ハウスメーカーに見積もりも出してもらっています。

長期優良住宅の点検と手入れの決まり

  • 計画の期間は30年以上認定の時に、点検と手入れの計画を作る
  • 点検の間隔は10年以内地震や台風の後も点検する
  • 外壁も点検の対象雨水を防ぐ部分=屋根・外壁・窓や戸など
  • 結果を見て、必要なら修繕点検や修繕の記録を作って残す

その見積もりには、将来の手入れなどの費用が1,000万円ほどと書かれていました。

当時は、長期優良住宅なら断熱や省エネの基準も高く、補助金ももらえて、良いことばかりだと考えていました。

考えが変わったのは、家づくりの本を読んでからです。わが家は、点検で手入れが要ると言われた時に、断りにくい仕組みだと受け止めました。見積もりの1,000万円も、物の値段が上がれば30年で1,500万〜2,000万円になると、当時は見込んでいます。

結果として長期優良住宅では建てず、やらなくて良かったと思っています。

最終的に新築もやめ、築50年ほどの戸建てのフルリノベーションを選びました。同じ質の家を新築すると、建てる費用がおよそ2倍になると言われたことが大きな理由です。

出典:住宅性能評価・表示協会・国土交通省・e-Gov法令検索(最後の「出典」の4〜6)

わが家の数字で、比べ方をたどる

今の値段で見積もりを取り、同じ表を作ると比べられます。わが家の2024年の数字を、順番に当てはめてみます。

30年の外壁の費用を並べる順番

  1. 候補を2〜3つにしぼるわが家はサイディングとキルコート。塗料なら下地も書く
  2. 1回の手入れの費用を聞く塗り替えと目地。足場代が入っているか
  3. 30年の回数を、長い方と短い方の年数で数えるサイディング2〜3回、キルコート1〜2回
  4. 最初の工事費+1回の費用×回数サイディング約410万〜510万円、キルコート約280万〜420万円
  5. 屋根と時期をそろえられるかわが家の屋根はガルバリウム鋼板
  6. 保証の条件を確かめる何年・何を・誰が施工した時か

当時の目安では、外壁は15〜20年ごと、屋根は20年ごとの塗装(1回20万〜40万円)で、どちらも20年前後です。

国土技術政策総合研究所の指針(案)は、足場の要る工事を同時に行うと費用を減らせるとしています。足場が要るかと足場代は、見積もりで確かめます。

わが家も打ち合わせを進めるうちに、費用は予想より上がりました。

将来の張り替えで、壁の主な材まで直す改修が壁の半分を超えると、2025年4月以降は2階建ての木造の家などで建築確認が要ります。今の壁にかぶせるカバー工法は、国の事例集では要らない例です。

出典:国土技術政策総合研究所・国土交通省(最後の「出典」の10・11)

書いた人

運営・執筆

RYU

堺市で2人の子を育てる父です。築50年ほどの戸建てを買い、工務店と打ち合わせを重ねて、自然素材でリノベーションしました。窓の断熱リフォームでは国の補助金を使い、制度の条件や期限は公式の情報で確かめて書いています。

建築士・宅地建物取引士ではありません。工事や契約は、工務店や専門家に確かめてください。

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次に読む

出典(一次資料11件・2026年10月28日に確認)
  1. 日本窯業外装材協会『統計データ』(戸建住宅市場における外壁材素材別シェア。元は日本サッシ協会『2026年3月版 住宅用建材使用状況調査』/2026年10月28日確認)
  2. 日本窯業外装材協会『製品概要』(窯業系サイディングとは/2026年10月28日確認)
  3. 日本窯業外装材協会『メンテナンスについて』(シーリング材・一般的なメンテナンスのスケジュール/2026年10月28日確認)
  4. 住宅性能評価・表示協会『長期優良住宅認定制度の概要について[新築版]』(2026年4月1日現在・3・4頁。国土交通省『長期優良住宅のページ』(2025年12月1日更新)に掲載/2026年10月28日確認)
  5. 国土交通省『長期使用構造等とするための措置及び維持保全の方法の基準』(第4 維持保全の方法の基準/2026年10月28日確認)
  6. e-Gov法令検索『長期優良住宅の普及の促進に関する法律施行令』(第2条 住宅の雨水の浸入を防止する部分/2026年10月28日確認)
  7. 日本建設業連合会『遮熱・断熱塗料 解説』(2014年2月作成・1・2頁/2026年10月28日確認)
  8. 環境省『平成21年度環境技術実証事業 高反射率塗料 キルコートSS 実証試験結果報告書(概要)』(実証番号051-0958・1・2・6・7頁/2026年10月28日確認)
  9. 国土交通省『建設工事費デフレーター』(四半期別・月別の木造住宅、2020年度=100、2026年9月30日付け。2023年度以降のウエイトは暫定値/2026年10月28日確認)
  10. 国土技術政策総合研究所『戸建て木造住宅の維持管理業務に関する指針(案)』参考-2 関連ツール等(3頁・2010年/2026年10月28日確認)
  11. 国土交通省『リフォームにおける建築確認要否の解説事例集(木造一戸建て住宅)』(2・5頁/2026年10月28日確認)