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屋根と断熱

屋根材より、まず断熱

瓦屋根と白壁の建物(滋賀県近江八幡市のかわらミュージアム)
イメージ写真:663highland(CC BY 2.5・Wikimedia Commons)

わが家は築50年ほどの戸建てをフルリノベーションした時、屋根は手入れの回数で選び、断熱材は費用が上がってもセルロースファイバーにしました。選んだ理由と住んでみての実感、窓の補助で残った費用を書き、国の基準と2026年の補助金は2026年10月28日に公式の資料で確かめ直しました。

最終確認日 更新

先に結論

  • わが家はリノベの時、屋根をガルバリウム鋼板、断熱材をセルロースファイバーにしました。屋根は手入れの回数で選び、断熱材は湿気の面からグラスウールを避けました。
  • 30坪の家を例にした当時(2024年)の概算で、屋根はスレート約120万円・ガルバリウム約150万円、断熱材はグラスウール約25万円・セルロース約80万円です。
  • 窓は当時の国の補助でサッシ代がほぼまかなえ、工事費は20万円ほどかかりました。断熱材は、名前より厚さと熱抵抗値で比べられます。

わが家が選んだ屋根と断熱材

わが家は2023年9月に、築50年ほどの戸建てをほぼ土地の値段で買いました。工務店と打ち合わせを重ね、買ってから完成まで9か月かかっています。

わが家が最初に工務店へ伝えた素材

  • 屋根:ガルバリウム鋼板アルミと亜鉛の合金でめっきした鋼板
  • 断熱材:セルロースファイバー古紙などが原料の、綿のような断熱材
  • 窓:オール樹脂サッシガス入りのペアガラス以上
  • 外壁:キルコート遮熱をうたう塗料

家づくりの考えは、「30年以上、できるだけ手入れをせずに住める家」でした。

素材は自分たちで調べて決め、その素材をよく扱う工務店を探しました。一般的な素材と比べて費用がどれだけ違うかも、工務店に確かめています。

これとは別に、わが家は2024年に、30坪の家を例に費用の差を概算でまとめました。

30坪の家の例一般的な素材わが家の素材
屋根スレート
約120万円
ガルバリウム
約150万円
断熱材グラスウール
約25万円
セルロース
約80万円

2024年にわが家がまとめた、30坪の家を例にした概算です(実際の見積もりの金額ではありません)。

屋根の差は30万円ほどで、わが家はほぼ同じ費用と見ました。それなら手入れの少ない方と考え、ガルバリウムにしています。

スレートは選びませんでした。カビが生えやすく、手入れが早く来ると考えたからです。

断熱材は、30坪の例ではグラスウールの3倍ほどの費用です。それでも、わが家はセルロースファイバーにしました。参考にした家づくりの本が、湿気の面からグラスウールを避けていたからです。

住んでみると、防音の効果も大きいと感じています。

住んでみて分かったこと、分からないこと

リノベの前の2年ほどは、築50年を超える空き家で暮らしました。夏は暑く、冬は寒く、外の音も筒抜けでした。

今の家で

感じていること

  • 冷暖房の効きがよい
  • 窓を閉めれば、外の音はほぼ聞こえない
  • 子どもが夜に泣いても、外に声が聞こえない

分けられないこと

  • 断熱材だけの効果
  • 窓だけの効果

窓は全部オール樹脂に替え、当時の国の補助金で131万9,000円が出ました(窓の補助金の記事)。

断熱材と窓を同時に替えたので、どちらがどれだけ効いたかは分けられません。

参考に、わが家(オール電化ではなく、ガスは別)の2025年の電気の使用量は1年で4,332kWhでした。多かったのは2月の540kWh、夏は8・9月の420kWh台です。

家族の人数や家にいる時間で変わるので、断熱の効果を示す数字ではありません。

うまくいかなかった事もあります。買ってから、壁や床を開けて初めて分かる腐食が一部に見つかりました。細かい所を決めるうちに、費用も予想より上がりました。

断熱材は、名前より熱抵抗値で比べる

2024年にわが家が断熱材を比べたのは、費用や湿気への強さ、防音の面でした。国の基準は、材料の名前では決まりません。

家全体は断熱等級、部位ごとは熱抵抗値(熱の伝わりにくさ)で確かめます。

断熱等級の基準(堺市・大阪狭山市など6地域)

  • 等級4:UA値0.87以下
    2025年4月から新築に義務
  • 等級5:0.60以下
    ZEH水準
  • 等級6:0.46以下
  • 等級7:0.26以下
    戸建ての最上位

UA値は、家から逃げる熱の量を外に接する面の広さで割った値です。小さいほど熱が逃げにくい家です。

屋根や天井の断熱材は、国の仕様基準で屋根なら熱抵抗値4.6以上、天井なら4.0以上が省エネ基準の値です(6地域の木造・骨組みの間に詰める工法)。

国の資料の例では、高性能グラスウールで屋根175mm、天井152mmほどの厚さです。熱の伝わりにくさは、グラスウールでも厚さで満たせます。

わが家がグラスウールを避けた理由は、熱の伝わりにくさではなく湿気でした。2024年にまとめた時も、グラスウールは費用が低く施工しやすい一方、湿気に弱く防湿の対策が要る、と書いています。

当時わが家がまとめた表は、素材の名前と金額だけでした。見積もりに断熱材の厚さと熱抵抗値も書いてもらうと、会社ごとの案を同じ物差しで比べられます。

出典:国土交通省(最後の「出典」の1〜4)

屋根材は、30年の手入れの回数で比べる

わが家が屋根で数えたのは、30年の間に来る手入れの回数です。

屋根の手入れの目安(木造の一戸建て)

  • 金属板葺き
    点検2〜3年ごと・塗り替え3〜5年ごと
    葺き替えは10〜15年くらいで検討
  • 化粧スレート葺き
    点検4〜6年ごと
    葺き替えは15〜30年くらいで検討
  • 瓦葺き
    点検5〜6年ごと
    葺き替えは20〜30年くらいで検討

住宅金融支援機構の目安です。材質で時期が違うので、家に合わせて見るよう書かれています。

2024年のわが家の見立ては、ガルバリウムは20年ごとの塗装(1回20万〜40万円)、スレートは10年ごとの手入れ(1回50万〜100万円)でした。

確かめ直すと、機構の金属板の目安はこれより短めです。ガルバリウム鋼板の塗り替えの時期は、製品の保証の年数と条件を書面で確かめておきます。

2024年にわが家が屋根を比べた時、ガルバリウムの良い所に挙げたのは、軽くて建物の負担が少ない事と、燃えにくい事でした。気になる所に挙げたのは、金属なので雨音が響きやすい事です。

屋根の重さは、新築の耐震の計算にも関わります。2025年4月の改正で、木造の家の壁量計算は「重い屋根・軽い屋根」の区分がなくなり、式で必要な壁の量を出す形になりました。

2026年3月末までの着工には、前の基準を使える経過措置がありました。2026年4月以降に着工する家は、改正後の基準だけです。

わが家が外壁に使ったキルコートは、製品の1つ(キルコートSS)が環境省の実証で試されています。

大阪の気象で工場の屋根に塗った計算では、夏の屋根の表面は5.6℃下がり、冷房なしの室温は1.4℃下がりました。2月の暖房の負荷は3.0%増えています。住宅の数字ではありません。

室温の下がり方は、表面よりずっと小さい結果です。わが家も2024年に、遮熱塗料は表面の温度を抑える物で、断熱材と合わせて使う物とまとめています。

出典:住宅金融支援機構・国土交通省・堺市・環境省(最後の「出典」の5〜8)

自分の家で比べる順番と、2026年の補助金

わが家の概算は2024年の数字です。今の値段で見積もりを取り、同じ表を作ると比べられます。

屋根と断熱を比べる順番

  1. 素材を先に決めて伝える選んだ理由も言葉にして、工務店に渡す
  2. 一般的な素材との差額を聞く屋根と断熱材ごとに、上の表の形で並べる
  3. 30年の手入れを数える1回の費用×回数を足す。間隔は書面で
  4. 断熱は等級と熱抵抗値で見る断熱材の厚さも見積もりに書いてもらう
  5. 補助金を自分で調べるわが家は窓で使えた

4は、今回国の資料を確かめて足した順番です。ほかは、わが家がやった事です。

工事費は上がっています。国の建設工事費デフレーター(木造住宅)は、2024年8〜10月の平均118.5から、2026年5〜7月の平均129.8へ、約1.1倍です。最新の2026年7月は135.9で、1か月で大きく上がっています。

わが家が補助を使ったのは窓です。当時の国の補助で、窓のサッシ代はほぼまかなえました。一番高かった大きな引き違い窓は約25万円で、補助は22万円でした。

それでも、窓の工事費は20万円ほどかかっています。わが家はほかの工事とまとめて頼んだので、窓だけを替えるなら、工事費の半分近くは自分で払うと見ておく方がよいと考えています。

補助の手続きは、登録した工事の業者が家族に代わって行います。登録している業者かは、契約の前に確かめます。

2026年の窓の補助は先進的窓リノベ2026事業で、上限は1戸100万円です(わが家が使った2023年の事業は200万円)。

天井などの断熱も直すなら、国のみらいエコ住宅2026事業があります。2016年末までに建てた家が対象です。

外に面した窓のある部屋の1つで、窓などの断熱改修を軸にした決まった組み合わせの工事をすると、天井などの断熱改修も補助の対象に入ります(天井の断熱だけでは対象になりません)。上限は、建てた年と工事の組み合わせで1戸40万〜100万円です。

同じ窓で、2つの補助を重ねては受けられません。みらいエコ住宅2026事業の予約は遅くとも2026年11月16日、申請は12月31日までで、予算に達するとその時点で締め切られます。

10月27日時点で、予算に対する申請はリフォームのみらいエコが11%、窓が32%です。工務店と契約する前に確かめる事は、工務店の記事にまとめています。

出典:国土交通省・各事業の公式サイト(最後の「出典」の9〜13)

書いた人

運営・執筆

RYU

堺市で2人の子を育てる父です。築50年ほどの戸建てを買い、工務店と打ち合わせを重ねて、自然素材でリノベーションしました。窓の断熱リフォームでは国の補助金を使い、制度の条件や期限は公式の情報で確かめて書いています。

建築士・宅地建物取引士ではありません。工事や契約は、工務店や専門家に確かめてください。

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次に読む

出典(一次資料14件・2026年10月28日に確認)
  1. 国土交通省『省エネ基準引き上げへ。脱炭素化も。』(2025年4月からの適合義務/2026年10月28日確認)
  2. 国土交通省『住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設』(3・7頁/2026年10月28日確認)
  3. 国土交通省『地域区分新旧表』令和2年7月時点(大阪府/2026年10月28日確認)
  4. 国土交通省『住宅の仕様基準・誘導仕様基準について』(9頁 断熱材の熱抵抗の基準/2026年10月28日確認)
  5. 住宅金融支援機構『マイホーム維持管理の目安【一戸建て(木造住宅)】』(屋根/2026年10月28日確認)
  6. 国土交通省 リーフレット『2025年4月から ルールを改正します!』2024年4月版(省エネ基準の適合義務・壁量計算の見直し/2026年10月28日確認)
  7. 堺市『壁量基準等の経過措置が終了します』(2026年3月10日更新/2026年10月28日確認)
  8. 環境省『平成21年度 環境技術実証事業 高反射率塗料 キルコートSS 実証試験結果報告書(概要)』(実証番号051-0958、1・2・4・5頁/2026年10月28日確認)
  9. 国土交通省『建設工事費デフレーター』(月次・木造住宅、2020年度=100、2026年9月30日付け/2026年10月28日確認)
  10. みらいエコ住宅2026事業『事業概要』(リフォームの対象・補助対象工事・上限額・期間/2026年10月28日確認)
  11. みらいエコ住宅2026事業『リフォーム』リーフレット(トリガールームと工事の組合せ/2026年10月28日確認)
  12. 先進的窓リノベ2026事業『事業概要』(登録事業者・補助上限・併用/2026年10月28日確認)
  13. 環境省『先進的窓リノベ事業の概要』(2023年の事業)(上限200万円・外窓交換の1か所の額・契約と着工の条件・交付申請は遅くとも2023年12月末/2026年10月28日確認)
  14. 住宅省エネ2026キャンペーン(予算に対する補助金申請額の割合、2026年10月27日時点/2026年10月28日確認)