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工務店との家づくり

契約の前と工事中に確かめること

かんなと木くず
イメージ写真:fireskystudios.com(Unsplash)(CC0 1.0・Wikimedia Commons)

わが家は2023年に築50年ほどの戸建てを買い、工務店とフルリノベをしました。工務店の決め方から工事中のやり取りまで、やって良かった事と「もう一度確かめておけばよかった」事を、国の決まりと合わせて書きます。

最終確認日 更新

先に結論

  • わが家は、30年の手入れの費用まで考えて素材を先に決め、それをよく扱う工務店を数十社から探して決めました。
  • 費用は、細かい所を決めるうちに予想より上がりました。最初に伝える予算は、出せる上限より500万〜1,000万円低く。契約の前に、全部の費用を書き出した資金計画書を作ります。
  • やり取りは、ほぼ毎日LINEで。それでも「もう一度確かめておけばよかった」が10回以上ありました。追加や変更は、金額を確かめて書面に残します(建設業法の決まり)。

わが家が工務店を決めるまで

わが家の家づくりは、妻の「持ち家が欲しい」から始まりました。家の知識は、ほとんど無い所からのスタートです。

決めるまでの流れ

  1. はじめ住宅展示場で、4社の話を聞く
  2. 2022年書店で、家づくりの本に出会う
  3. そのあと本の著者の工務店で、2〜3時間の勉強会を受ける
  4. 工務店選び使いたい素材をよく扱う工務店を数十社見つけ、1社ずつ話を聞く
  5. 決めた所こちらの希望を全部形にしてくれる1社に頼む

展示場の営業の方は、こちらの年収と予算で買える商品を勧める印象でした。1社で考えてもらった間取りも、自分たちで作れそうな物でした。

一方で、銀行との交渉に慣れた営業の方もいて、その縁でリノベに強い銀行とつながりました。

古い家のリノベは、お金の借り方でも苦労しました。わが家が調べた時、リフォームローンの多くは担保を付けない型で、借りられる額や年数に限りがありました。

担保を付けて普通の住宅ローンのように貸す銀行は少なく、わが家は地方銀行で、なんとか普通の金利の住宅ローンを組めました。

本の著者の工務店の勉強会は、学ぶ事が多い一方、やり方に偏りも感じました。そこで、デザインやこちらの意見も形にしてくれる所を探しました。

決めた工務店は、こちらの話を聞いたうえで、自分たちでは思いつかない提案をくれた所です。話を聞いた大手の会社は、間取りの提案より契約の話が中心でした。

土地は、工務店を決めずに自分たちで探しました。先に決めると、その会社が建てやすい土地ばかり紹介されそうだったからです。今の家に出会うまで、3か月かかりました。

わが家が選んだ素材と、比べた費用

わが家は、工務店を探す前に、使いたい素材を決めていました。選んだ理由も調べ、工務店には説明しながら話を進めました。

最初に工務店に伝えたのは、下の表の床を除く6つです。床は、水回り以外を無垢材にしています。

場所わが家が選んだ物比べた一般的な物
屋根ガルバリウム鋼板スレート
断熱材セルロースファイバーグラスウール
シロアリ対策ホウ酸農薬系の薬剤
外壁キルコート(塗料)サイディング
窓オール樹脂サッシ
ペア以上のガス入りガラス
樹脂とアルミの複合サッシ
内壁珪藻土か自然素材のクロスクロス
床無垢材(水回り以外)複合フローリング

右の列は、下の目安で比べた一般的な素材です。窓の費用は、窓とドアを合わせた目安です。

わが家も、はじめは長期優良住宅で建てるつもりでした。補助金や税の優遇など、得な所だけを見ていたからです。

ところが、ハウスメーカーで長期優良住宅の見積りを出してもらうと、約1,000万円の手入れの費用が書かれていました。

長期優良住宅は、点検や補修の計画を作って認定を受け、住んでからも計画どおりに手入れを続ける仕組みです(国土交通省)。

わが家は、この約1,000万円が、30年の間に物価の上がりで1,500万〜2,000万円ほどになると見ました。そこで、30年の総額を減らすために、手入れの少ない素材を選びました。

費用の差は、工務店にも確かめました。仕入れの値段は、工務店ごとに違うためです。

家の広さを仮に決めた、わが家の計算では、7か所を一般的な素材にすると約570万円、手入れの少ない素材にすると約930万円です。差は約360万円で、30年の手入れの費用は1,000万円ほど変わる計算です。

補助金も、自分で調べて工務店に伝えました。窓は当時の国の「先進的窓リノベ事業」を使い、約132万円の補助が出ました。サッシの値段と補助の額がほぼ同じになり、窓そのものは補助でまかなえました(工事の費用は別にかかりました)。

この補助は、登録した工事の事業者が申請します。2026年の事業は、上限が住宅1戸あたり100万円です。受付は予算に達した時点で終わり、遅くとも予約は2026年11月16日まで、交付申請は12月31日までです(2026年10月27日時点で予算の約32%。くわしくは窓の補助金の記事)。

出典:国土交通省・環境省(最後の「出典」の6・8〜10)

予算の伝え方と、資金計画書

わが家も、細かい所を決めるうちに、費用は予想より上がりました。見積りは最低限の仕様で出ることが多く、「これも足したい」「ここは上げたい」が出てくるためです。

古い家は、壁や床を開けてから分かる事もあります。わが家も買った後に、一部の腐食などの問題が見つかりました。抜けない柱もあり、どう活かすかをかなり考えました。

そこで、わが家の考えは「最初に伝える予算は、出せる上限より500万〜1,000万円低く」⁠です。

もう一つ作って良かったのが、全部の費用を書き出す資金計画書です。わが家は、ほかの方が配っていたひな形を参考に、自分たち用に作り直しました。

資金計画書に入れる5つの費用

  • 本体工事費家そのものの工事費
  • 付帯工事費地盤改良、給排水の工事、外構など
  • 諸費用登記、火災保険、住宅ローンの手数料、税金
  • オプション追加の設備、造作家具、カーテン、エアコン
  • 引っ越しと新生活引っ越し代、新しい家具と家電

金額を工務店に一つずつ確かめて埋めると、今いくら余裕があるかがいつでも分かります。

古い家なら、水道と電気も入れます。2024年にわが家がまとめた目安では、13mmの細い給水管を20mmか25mmに引き直すと50万〜100万円、電気の引き込みと配線で30万〜40万円ほどかかることがあります。

契約の前に、工務店に聞いておくこと

  • 見積書に「〇〇工事一式」とだけある所の明細
  • 解体や改修を含むなら、石綿(アスベスト)の事前調査の費用
  • 建築確認が要る工事か。要るなら、費用と日数はどれだけ増えるか
  • 物価が変わった時に、代金をどう変えるか
  • 使いたい補助金の事業者登録をしているか

物価が変わった時の代金の変え方は、建設業法で契約書に書く項目の一つです。建設業の許可を持つ会社は、資材の値上がりのおそれがあれば、契約までに知らせる決まりです。

2025年4月以降に着工する、2階建ての木造戸建てなどの大規模なリフォームは、着工前に建築確認が要ります。これから確認を受ける工事では、今の法律に合わない所を直す工事が別に要る場合もあります。

わが家の工事は、この決まりの前でした。今の決まりだったら、費用が数百万円増えるか、建て直ししかできなかったかもしれない、というのが個人的な感覚です(物件や工事の中身で変わります)。

出典:ガイドブック・建設業法・国土交通省(最後の「出典」の1・5・7)

工事中に、わが家がしていたこと

工務店の担当の方とは、主にLINEでやり取りしました。定休日と担当の方の休みを除き、ほぼ毎日です。

LINEのアルバムを分けた6つの場所

  • リビング天井のデザイン、壁の質感、照明の配置
  • 階段と吹き抜け手すりのデザイン、吹き抜けの広さ
  • ニッチ収納や飾り用の壁のくぼみ
  • 2階廊下の雰囲気、部屋の配置
  • キッチンシンク、収納、カウンター
  • 子ども部屋色、家具の配置、アクセントクロス

それでも、ドアの仕様など細かい所で「もう一度確かめておけばよかった」⁠と思った場面は、10回以上ありました。「たぶん大丈夫」で流すと、後で「こんなはずではなかった」になりやすいと感じています。

間取りと回遊動線は、妻が勉強して考えました。会社に任せきりにすると、会社が作りやすい設計になることがあります。

間取りを決めるだけで半年かかりました。買ってから完成までは、9か月ほどです。

細かく確かめて良かったのは、コンセントと窓です。暮らし始めてから「ここに欲しかった」となりやすいためです。コンセントは家電と充電の場所から、窓は開くか・すりガラスか・大きさから決めます。

途中で追加や変更を頼む時は、工事の前に内容と金額を確かめ、追加・変更の契約書を交わします(建設業法の決まり)。完成時は竣工(しゅんこう)検査に立ち会い、契約書・図面・保証書を取っておきます。

書いている私(RYU)の場合

家づくりの1年は、毎日、建築の動画を何時間も見て素材を調べていました。工務店の方より一部は詳しいくらいになって、やっと良い打ち合わせができたと感じています。

後で悔やむ事があるとしたら、会社のせいより、頼む側の知識不足から来る。それが、わが家の実感です。

出典:ガイドブック・建設業法(最後の「出典」の1・5)

契約の前のチェックと、相談先

ここからは、わが家の体験ではなく、公式の案内です。

契約の前に、サイトで調べられる2つのこと

  • 建設業の許可国土交通省の企業情報検索システムで、許可番号が会社のサイトと合うか
  • リフォーム瑕疵(かし)保険住宅瑕疵担保責任保険協会の検索で、保険を使える登録事業者か

工事1件が500万円以上(税込)の工事を請け負うには、原則として建設業の許可が要ります(家全体をまとめる建築一式工事は別の基準)。

見積りが適正か分からない時は、国土交通大臣が指定した相談窓口「住まいるダイヤル」に相談できます(03-3556-5147、10時〜17時、土日・祝休日・年末年始を除く)。

契約前の見積書を送ると、建築士の相談員が電話で助言する無料のチェックもあります(契約書は対象外)。

出典:国土交通省・住まいるダイヤルほか(最後の「出典」の1〜4・11)

書いた人

運営・執筆

RYU

堺市で2人の子を育てる父です。築50年ほどの戸建てを買い、工務店と打ち合わせを重ねて、自然素材でリノベーションしました。窓の断熱リフォームでは国の補助金を使い、制度の条件や期限は公式の情報で確かめて書いています。

建築士・宅地建物取引士ではありません。工事や契約は、工務店や専門家に確かめてください。

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出典(一次資料11件・2026年10月28日に確認)
  1. 住宅リフォーム推進協議会『住宅リフォームガイドブック』令和8年度版(4・8・13・14頁/2026年10月28日確認)
  2. 国土交通省『建設業の許可とは』(2026年10月28日確認)
  3. 国土交通省『建設業者・宅建業者等企業情報検索システム』(2026年10月28日確認)
  4. 住宅瑕疵担保責任保険協会『かし保険を利用する登録事業者等の検索』(2026年10月28日確認)
  5. e-Gov法令検索『建設業法』(2条・19条・20条の2/2026年10月28日確認)
  6. 国土交通省『長期優良住宅のページ』(2026年10月28日確認)
  7. 国土交通省 リーフレット『2025年4月から木造戸建の大規模なリフォームが建築確認手続きの対象になります』2025年3月版(裏面※2/2026年10月28日確認)
  8. 環境省『先進的窓リノベ2026事業の概要』(2026年10月28日確認)
  9. 環境省『先進的窓リノベ2026事業』公式サイト(申請額の割合は2026年10月27日時点/2026年10月28日確認)
  10. 環境省『先進的窓リノベ2026事業 申請手続きの詳細(住宅)』(2026年10月16日更新/2026年10月28日確認)
  11. 住まいるダイヤル『リフォームの見積書に関する相談』(2026年10月28日確認)