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シロアリ対策

子どもがいる家はホウ酸か農薬か

古い木の床
イメージ写真:Francisco Galarza(Unsplash)(CC0 1.0・Wikimedia Commons)

わが家は築50年ほどの戸建てをフルリノベした時、シロアリ対策をホウ酸処理にしました。選んだ理由と2024年に参考にした費用の目安、あとから調べ直して分かった条件を、2026年10月28日に資料で確かめ直して書きます。

最終確認日 更新

先に結論

  • わが家は築50年ほどの家をフルリノベした時、シロアリ対策をホウ酸処理にしました。5年ごとの再処理を前提にしないためです。
  • 2024年に参考にした目安では、最初の処理はホウ酸30万円・農薬系15万円。農薬系はそのあと5年ごとに20万円からかかります。
  • ただしホウ酸は水に溶けやすく、ぬれない木を守る薬剤です。メーカーの30年保証も、10年目と20年目の手入れが条件です。

わが家がホウ酸を選んだ理由

2023年9月、築50年ほどの戸建てを買いました。出来上がるまで9か月、間取りを決めるだけで半年かかりました。

わが家が最初に工務店へ伝えた素材

  • シロアリ対策:ホウ酸処理
  • 屋根:ガルバリウム鋼板
  • 外壁:キルコート(塗料)
  • 断熱材:セルロースファイバー
  • 窓:オール樹脂サッシ
  • 内壁:珪藻土か自然素材のクロス

家の目当ては「30年以上、できるだけ手入れをせずに住める家」です。素材は本と建築の動画で調べました。動画は毎日数時間見ていました。

一般的な素材との費用の差も確かめ、選んだ理由を工務店に説明しながら進めました。

ホウ酸にした理由は2つです。

2024年の記事には、ハウスメーカーにホウ酸を提案しても「扱っていない」「効かない」などと言われる、とも書きました。家を建てる会社の標準は、農薬系のことが多いと感じています。

出典:標準仕様書・メーカーの案内(最後の「出典」の1・5)

2024年に参考にした、30年の費用の目安

2024年10月の記事に書いた目安です。出どころは表の下に分けて書きます。

かかる時農薬系ホウ酸系
最初の処理15万円30万円
そのあと5年ごとに
20万円から
30年で120万〜
150万円
かからない
見込み

最初の処理は、30坪の家を例にした初期費用の見込みです。そのあとは、家づくりで参考にした工務店の比較表からです。120万〜150万円に最初の処理が入るかは書いていません。公的な相場ではありません。

表の数字で比べると、農薬系は5年目の再処理で15万円+20万円=35万円からになり、ホウ酸の30万円を超えます。

差がつくのは、最初の値段より、そのあとの回数です。

ただ、2025年の記事には、以前の素材の値段はもう参考になりにくいと書きました。今は2〜3社の見積もりを、回数と合わせて比べます。

30年で処理する回数

  • 農薬系:6回新築時と5・10・15・20・25年目
  • ホウ酸・メーカーの30年保証あり:3回新築時と10・20年目。どの回も、別の薬剤で外まわりの土も処理
  • ホウ酸・保証なし:1回からぬれた所・ひび割れた所は処理し直し。メーカーは、5〜10年後に1度処理し直すと予防の効果が高くなるとも案内

30年の費用の出し方

1回の処理費見積もりの額× 処理の回数30年で何回か+ 点検の費用30年分= 30年の費用この額で比べる

2024年の目安で農薬系を当てはめると、15万円+20万円×5回で115万円からです。これに点検の費用が加わります。

ホウ酸で30年保証を付けるなら、回数は3回です。10・20年目の点検と手入れの費用は、施工した業者の見積もりで決まります。頼む前に、この2回の額も聞いておきます。

出典:標準仕様書・メーカーの案内と保証書類(最後の「出典」の1・5・7)

調べ直して分かった、ホウ酸の条件

わが家も2024年には「ホウ酸ならほぼずっと替えなくてよい」と考えていました。今は「木がぬれない状態を保てれば」と条件を付けて考えています。

ホウ酸が守れる所・守れない所

守れる

  • 雨風から守られ、地面に触れない木
  • 食べたシロアリに効く

守れない・向かない

  • 床下の土(土の処理には使えない)
  • 雨漏りや水漏れでぬれた木
  • 触れただけでは効かない

ホウ酸は水に溶けやすく、冷たい水1Lに約56g溶けます。業界団体は、雨水がかかれば簡単に溶け出すと書いています。

業界団体で、認定が分かれる

日本しろあり対策協会は2019年の見解で、認定したホウ酸製剤は無いとしています。触れて効く力が期待できず、建物全体を守るとは言えない、という理由です。

日本木材保存協会は、ホウ酸系の製品を、使う所を限って認定しています。雨風から守られ、地面に触れない木に使う場合の試験です。

「ホウ酸は効かない」と言われるのは、土にまいて家全体を守る薬剤と同じ役目を期待するからだと、わが家は考えています。ホウ酸の役目は、乾いた骨組みの木を、食べ続けられない木にすることです。

食べて効くので、入ってきたシロアリが少しかじることはゼロとは言えません。メーカーも、かじったりなめたりした時に初めて効くと説明しています。

保証を付けると、手入れの条件がある

メーカーの保証の条件(新築の一戸建て)

  • 5年保証定期点検なし
  • 10年保証5年目に定期点検
  • 30年保証1階の床面積が100㎡以内新築時にも、別の薬剤で外まわりの土を処理10年目・20年目に床下への噴霧と、外まわりの土の処理

保証の概要では、どれも対象は新築の一戸建てで、それ以外は「別途相談」です。リノベはこちらに入ります。

補償は修理の費用で、上限300万円、免責は3万円(補償から差し引かれる額)です。保証する相手は施工した業者で、家の持ち主ではありません。

処理した木が、雨水や漏水、ひどい結露でぬれた経歴があると、保証の対象から外れます。カンザイシロアリも対象外です。

2024年7月の記事でわが家は、ホウ酸を「再処理0回・15年に1回の点検」で計算しました。この保証の条件より、手入れが少ない考え方です。

書いている私(RYU)の場合

わが家は家を買ったあと、一部に腐った所が見つかりました。中古の家は、壁や床を開けるまで骨組みの傷みが分かりません。

壁の中の木は、ふさいだ後では処理し直せないと、メーカーも書いています。リノベなら、壁や床を開けている間が処理できる時です。

出典:協会の見解・認定品の一覧・メーカーの案内と保証書類(最後の「出典」の2・3・5・7)

工務店に聞く3つのこと

ホウ酸は、施工する会社の慣れで結果が変わることがあります。次の3つを聞くと、会社ごとの違いが比べやすくなります。

ホウ酸を頼む前に聞くこと

  1. どこまで処理しますか基礎から1mまでか、柱・梁・土台など骨組みまでか
  2. どう施工しますか吹き付けか塗るか、何回塗るか、いつ塗るか。塗りむらを防ぐ写真の記録はあるか
  3. 水の事故の時はどうしますか雨漏りや水漏れの時、どこまで点検し、部分的に処理し直せるか。費用はどのくらいか

建築基準法施行令(国の決まり)は、地面から1m以内の柱・筋かい・土台に、腐らない手当てと、必要に応じたシロアリの対策を求めています。

メーカーの案内では、ふつうは基礎から1mまでの木を処理します。アメリカカンザイシロアリ対策としては、さらに上の床や梁・柱・屋根の下地まで処理する方法を案内しています。

ただし、メーカーの保証はカンザイシロアリを対象外にしています。業界団体の見解も、乾材シロアリへの効き目は分かっていないとしています。

返事で見分ける

頼みやすい

  • 範囲・方法・水の事故の対応を、具体的に話せる

気をつけたい

  • 「ホウ酸もできます」だけで、範囲や方法が出てこない
  • 「床下だけで十分です」⁠と言い切る
  • 水の事故の話になると、話をにごす

書いている私(RYU)の場合

わが家は、ホウ酸などの素材を扱う工務店を前もって調べ、最初の打ち合わせで「シロアリ対策はホウ酸処理で」と伝えました。

ただ、どこまで処理したか、製品名、保証を付けたかは、当時の記事に書いておらず、ここでは書けません。見積書に範囲と製品名が書いてあれば、あとからでも確かめられます。

頼む時の進め方

  • 候補の工務店を2〜3社に絞る
  • 上の3つの質問を、そのまま送る(メールでもよい)
  • 答えが具体的な会社だけ残す
  • 見積書に、処理する範囲と製品名を書いてもらう

工務店との付き合い方は工務店の記事、木をぬらさない屋根と外壁は屋根と外壁の記事にあります。

出典:協会の見解・建築基準法施行令・メーカーの案内と保証書類(最後の「出典」の2・4・6・7)

子どもがいる家で、気をつけたいこと

業界団体の標準仕様書は、住みながら処理する時の決まりを定めています。子どもがいる家に関わるのは次の3つです。

住みながら処理する時の決まり

  1. 前:施工の中身と使う薬剤を、住む人に説明する
  2. 施工中:関係者以外が入らないよう表示する
  3. 施工中:ペットや観葉植物を、薬剤の影響を受けない所へ移す

シロアリ用に使われてきたクロルピリホスには、室内の空気の指針値があります。子どもの値は、一般の値の10分の1です。

2003年7月以降に着工した、居室のある建物では、クロルピリホスを加えた建材は使えません。

ホウ酸も、人の健康に影響するおそれがある物質です。水道の水質基準でも、ホウ素は1Lに1mg以下と決められています(業界団体の見解より)。

同じホウ酸を使う家庭の物に、ゴキブリ退治のホウ酸団子があります。日本中毒情報センターは、床に置くと子どもがすぐ見つけて口に入れるため、子どもがいる所では使わないよう呼びかけています。

確かめられなかったこと

日本しろあり対策協会のサイトは、2026年10月28日にセキュリティ対策のため公開を停止していました。協会の今の認定の一覧は確かめられていません。

シロアリ対策の費用の相場を示す公的な資料は、見つかりませんでした。

出典:標準仕様書・協会の見解・国土交通省・大阪府・日本中毒情報センター(最後の「出典」の1・2・8〜10)

書いた人

運営・執筆

RYU

堺市で2人の子を育てる父です。築50年ほどの戸建てを買い、工務店と打ち合わせを重ねて、自然素材でリノベーションしました。窓の断熱リフォームでは国の補助金を使い、制度の条件や期限は公式の情報で確かめて書いています。

建築士・宅地建物取引士ではありません。工事や契約は、工務店や専門家に確かめてください。

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次に読む

出典(一次資料10件・2026年10月28日に確認)
  1. 日本しろあり対策協会『防除施工標準仕様書』令和7年10月版(1・10・11頁/2026年10月21日確認。10月28日はサイトが公開停止中のため、インターネットアーカイブの保存(2026年8月5日)で確認)
  2. 日本しろあり対策協会『ホウ酸系防蟻・防腐製剤について』2019年6月17日(1〜4頁/2026年10月28日確認)
  3. 日本木材保存協会『認定薬剤、認定規程等』(認定登録製品一覧表 2026年10月1日付・木材防腐・防蟻剤/2026年10月28日確認)
  4. e-Gov法令検索『建築基準法施行令』(政令・第49条第2項/2026年10月28日確認)
  5. エコパウダー『よくあるご質問』(農薬系との違い・再施工/2026年10月28日確認)
  6. エコパウダー『エコボロンPRO』(施工箇所・認定/2026年10月28日確認)
  7. エコパウダー『エコボロンPRO 新性能保証 保証書類一式』2023年8月版(販売店のサイトに掲載・3・4・20〜24頁/2026年10月28日確認)
  8. 国土交通省『建築基準法に基づくシックハウス対策について』(クロルピリホスに関する規制/2026年10月28日確認)
  9. 大阪府『化学物質濃度指針値』(2025年2月4日更新/2026年10月28日確認)
  10. 日本中毒情報センター『子ども編 家庭内での中毒事故防止チェックリスト』(1.使用中は子どもを意識する/2026年10月28日確認)